午前0時、夜空の下で。 ―Short Story―
世界中の美姫たちが求めてやまない王。
そして、どんな女にも特別な感情を抱かなかった王。
そこでふと、腰を痛めた庭師の言葉を思い出す。
「今日は王妃様にお会いできないのか。残念なことだ」
それはそれは悲しげに呟かれたその言葉。
王妃なんかいねぇだろ、と馬鹿にしたが。
今思えば、魔王からの寵愛を一身に受ける人間の女がいたはずだ。
彼女に対する扱いは、王妃に等しいらしい。
……まさか。
「――私のモノに手を出すなど、いい度胸だな。今すぐ死にたいか」
鼓膜を震わせたその声に、男は青ざめた。
そして、どんな女にも特別な感情を抱かなかった王。
そこでふと、腰を痛めた庭師の言葉を思い出す。
「今日は王妃様にお会いできないのか。残念なことだ」
それはそれは悲しげに呟かれたその言葉。
王妃なんかいねぇだろ、と馬鹿にしたが。
今思えば、魔王からの寵愛を一身に受ける人間の女がいたはずだ。
彼女に対する扱いは、王妃に等しいらしい。
……まさか。
「――私のモノに手を出すなど、いい度胸だな。今すぐ死にたいか」
鼓膜を震わせたその声に、男は青ざめた。