期待

ジョーカー

楽しい時間が過ぎていく

「青春できましたでしょうか!?」

先輩とは、なんもないや…

けど、クラス展のネバーランドは成功したのだ

クラスで一致団結、ネバーランドの衣装をきて

フック船長と戦ったり、宝探ししたり、いろいろコーナーを作ったのだ

みんなで、打ち上げも計画中だ
青春はできている!

「最後は恒例のジョーカーやりまーす!」

一気に会場中が盛り上がる

ジョーカーはこの学校の一つの大イベント

1人のジョーカーになって仕切るんだけど

ジョーカーとは
切り札、最強のカード

つまり最強を決めるってこと

それは毎年全校のくじから引かれる

今年は…

「今年はー!!!」

生徒会長がくじを引く

「2年!!!」

私たちだ

「2組ーー!!!」

私の組…

「霧島君です!!!」

「きりちゃん、選ばれたね」

友人の珠羽(すう)が言ってきた

「だね」

霧島は仲いい男子だ

ステージに登った霧島は

「選ばれたのは何かの縁です!だから、最強のジョーカーになってやりますよ!」

さすがバンド班次期リーダー

キラキラしてるよ笑

「様になってるなー」

「だねー」

珠羽と笑い合う

「じゃーねー、俺から2つ!!」

そう言って、指で2を作り前に出した

「まず、一つ目!」

BGMがバンド班のものになった

「俺らのバンド聴いてや!」

キラキラの笑顔振りまいて、バンド仲間を呼ぶ霧島

どこからギター持ってきたんだ笑

まるで、霧島が既にジョーカーと決まっていたかのように

体育館中に響く歓声と掛け声

「きりちゃんすごい!!」

「霧島かっこいいねー!」

「うん!!きりちゃん選ばれてよかった」

「それなー笑」

霧島、本当キラキラして、みんなをまとめあげちゃった

「ありがとうなーー!!!」

「「ひゅーーーーっ!」」

「二つ目は!!俺の個人的なお願い」

バンド仲間はステージから降りていく

霧島とマイクだけが残される

「さぁ!!みんな、俺の前の道を開けて!!」

マイクに向かって叫び、前に手を伸ばした

突然の事で混乱しつつも移動し始める

──ガシッ

──ガシッ

「「え!?」」

珠羽と私は腕を掴まれて元いたところに戻された

「みんなさんきゅーな」

「なに!?どうなってんの!?」

「まぁまぁ、落ち着けって。

あのな、俺、これから告白しようと思う

入学からなにげ一緒にいるこの2人がすげぇいいやつでさ

こいつらのおかげで、中学の時の辛いこととか吹っ飛ばすくらい笑えたんだ。

だから、ありがとうな

今、みんなの前で嬉しいわ俺」

そう言って今日一番のキラキラ笑顔を向けられた

告白はしっかり返さないとね笑

「そっかー!!私達も一緒に入れて楽しいよー!!!ねっ!珠羽!」

「うん!!きりちゃんありがとう!」

「おう!!」

そう言って、ステージを降りる霧島

みんなから大きな拍手をもらった

私の前で霧島は止まった

「ふーさん!!俺ふーさんが好きだ!」

「「え?」」

2人して出た言葉

「「うおーーーー!!!」」

「「きゃーーーー!!!」」

また、周りからの歓声

私は珠羽を見た。

さっきまで笑いあってたのに

今は凍りついた表情で見つめていた

涙がたまる珠羽を見てわかる

珠羽は霧島が好きだから

「どうして…」

こんな修羅場にして、ぶち壊して

「どうして、それを言うの!?私の気持ち知ってるのに!!」

私も涙がこみ上げてきた

周りの空気も冷め始めた

BGMもだんだん落ちていく

「泣かせるつもりはなかったんだけどな〜」

霧島の声だけが体育館に響く

こんなはずじゃなかった…はず

「俺は今の主役だぞ?ジョーカーだ」

それがなんだ。もう、どうでもいい

「ジョーカーは最強だ。」

最低だよ…

「冗談をいったり、やったりして楽しむ人でもあるんだよ」

…ひどい

「ジョーカーはいいやつだけじゃない。トランプだってオールマイティで最強でも、ばばになれば厄介者」

「毎年、そういう奴らを選んでいるんだよ」

「俺は、いいやつに出会えた。最低な奴で終わらせたりしない」

そう言ってまたステージに戻る霧島

私たちの涙は止まっていた

今度は珠羽ときょとんとした顔で見つめた

マイクを持った霧島は、真剣な目とはっきりした口調で

「俺は、ふーさんも好きだけど、
恋してるのは、

珠羽、君だよ」

「だーれにも珠羽は渡さないからね」

マイクを置いて、霧島はまたここに戻ってきた

「泣かせてごめんね?今度は涙を拭ってやるから、俺の隣に恋人としていてくれないか?」

涙をいっぱい貯めて零れないように頑張っている珠羽が映った

「きりちゃん…」

「ん?」

霧島は首をかしげて優しく答えた

──ギュッ

「「わぁあーぉ」」

ギャラリーは息ぴったりに声を上げた

珠羽が霧島に抱きついたのだ

「拭ってやるって言ったけど、」

「すきっ!バカっ!」

霧島は珠羽の腰に腕を回した

「うん」

珠羽は抱きついたまま満面の笑みで顔を上げた

「お願いします!」

「大切にします」

──ちゅ

「「きゃーーーー」」

霧島が珠羽にキスをした

「唇には誰にも見せないから」

だそうですw

「珠羽、顔真っ赤w」

「バカっ!うるさい!」

「あは、ごめんってー」

まあ、お熱いですこと

羨ましいなー!おいw

「はいっ!俺の告白終了。みんな協力ありがとうなー」

「はーいよー」
「おめでとうー」
「しあわせにー」

「さんきゅうな!俺のカノジョにイジワルすんなよ?」

「ってことで!このコーナーは潰します!!」

「「「・・・え?」」」

今日の霧島爆弾発言多すぎ

「だって、ジョーカーなんて、神と悪魔の狭間だよ?そんなやついたら、また修羅場じゃん!」

「ねぇ?生徒会長?」

「でも、これは本校の大イベントです。簡単に潰されてはこま──」

「だから、新しいのを作ればいいんだろう?大イベントをさ」

「案があるのか?」

「ああ、もちろんだ」

霧島はステージまでダッシュした

今日何回往復するんだ霧島は笑

「霧島、今日は一段と輝いてるね」

「う、うん。そだね…」

「珠羽?疲れた?笑」

「うん、ちょっと」

「まぁ、仕方ないかー」

ステージに上がった霧島はなにか演説し始めた
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