五分で恋愛
スマホを持ったところで逆に彼から電話がきた。



「もしもし」

「真由子!?梨々花知らないか!?」

この慌てよう。

梨々花に見せてあげたいわ。
あんたは愛されてるよ。



私は少し口角を上げて笑った。


「何かあったの?」

「いや、梨々花が泣きながら、家、出てっちゃって...

真由子の家にいないかと思って...

いないのか?」

息を切らしながら話す。
彼は走っているようだ。
え、探し回ってるわけ?


「今どこ?まさか探してるの?」

「当たり前だろ。

彼女探さない彼氏がどこにいるんだよ。」


私はまた笑った。


私は何もかも知っていたけれど、
あえて聞いた。


「喧嘩でもしたの?」

「いや、俺が梨々花を怒らせたんだ。

最近アレのために夜遅くまで働いてたから...

梨々花ならわかってくれるだろうと思って何も言わなかったんだ。」

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