この地球-セカイ君がすべて

教室でお兄ちゃんに話しかけられるのは夏祭りのお誘い以来だ。


もちろん、学校生活で必要な話はしていたのだけれど。


「今日は部活が終わったら空いてるけど…?」


実を言うと私は軽音楽部に所属してて。


けっこうゆるい部活だからよく休んでいたけど、もうそろそろ文化祭の時期に入るからさすがに休むのは気がひけた。


それに、お兄ちゃんだからいっかという考えも頭にあった。


「そっか。じゃあ、部活終わったら花火を見た川沿いに来てよ」


「…わかった」



セミもうるさくて、蒸し暑くて日陰もないそこをなぜ選んだのかわからなかったけど、お兄ちゃんがそう言うんだから従うことにした。
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