何度でも、先輩に片想い
遠い人です
……かっこいい。
四月下旬
開いてる窓から入ってくる春の匂いがする
風とともに教室の窓から見える
私の好きな人、
一つ先輩の高校2年生
成瀬 斗和先輩
クラスメイトと楽しそうに話しながら
走ってる。
「……でさあ、そのおかげでメイクの……
って、芽依。聞いてる?」
「え、あっ、うん。メイクの……」
先輩を眺めてる間にメイクの話をしてた
らしい伊織ちゃん。
中学からの友達で、一番仲がいい子なんだ。
前の席だからっていうのもあって
話しかけてくれるけど
先輩を眺めてる時は聞き逃してしまう。
「確かに成瀬先輩かっこいいから、まあ
見惚れちゃう気持ち、分かんなくもないけど
タイプじゃないわ」
うんうん、と
頷きながらそう言った伊織ちゃん。
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