傷だらけのココロに、癒しの愛を。〔仮〕
「いや、」

自分の過去をためらいなく、
朱理は話してくれたのに。

あたしはアレを人に話す気にはなれなくて

「下手だったから、かな」

いつもごまかしてしまう。

そして、いつの間にか
制服に着替え終わっていた隼人が
頭に手を置いた。

「そろそろ美桜返してくれる?」

「えー楽しく話してたのに」

「美桜は俺と帰るの」

「んー…仕方ないなあ。美桜、また明日!」

「うん。またね、朱理」

お互いに手を振り合って教室を後にする。

朱理は誰かと一緒に帰るのかな。
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