新撰組と復讐心
避けようと下がった時、さっきの赤毛の男が私の背後にいた。



逃げられない。



「後悔するぞ」



冥鬼の忠告する言葉とともに藁傘は斬られ、私の顔があらわになった。



「お、お前。左眼が……」



斬った張本人が、一番驚くのは無理がないだろう。



私は、とある事件で左眼だけが、髪と同じ群青色になってしまったからだ。



「驚いてるなぁ」



呑気に冥鬼はいうが、もともとは、こいつと契約したせいでこうなったのだ。



いや、一番の原因は新撰組か。




こいつらがいなければ、私は冥鬼と契約することも、刀を持つこともなかったのだ。
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