眠り姫の憂鬱。
「だいたいみんなおかしいと思わない?雅が嫌がってんのわからないの?」
「まあまあ。好意で推薦してくれたのかもしれないし…、」
「好意なわけないでしょ?!悪意丸出しじゃん!"眠り姫"を雅に当てる時点で確信犯だよ!」
やっぱり、そうだったのかなあ。
───いっつもやってることをやるだけじゃん!
───そうそう、寝てるだけ!
あれは、嫌味だったのだろうか。
そう思われても仕方ないと思うし、実際人より寝ていることは確かだ。
だから訂正する気も反論する気もないけれど、あまりいい気分ではない。
「ねえ、雅。私のいないところでまた何か言われたら一応教えてね」
「わかったよ、私頑張るね!」
「いや頑張るとかじゃなくて、もちろん頑張ってほしいけど、そうじゃなくて!ただでさえ三郷楓のファンから目をつけられてるんだから…、」
「わかってる。ちゃんとわかってるよ」
たとえこの学校が『いじめがない学校』として地元では有名だったとしても、私を恨んでる人がゼロではないこと。
それを行動に移す人がいないという保証はないこと。
真依が心配してくれていること。