眠り姫の憂鬱。
「ねえ、楓のクラスは何やるの?」
「喫茶店」
「え!」
もしかして楓が執事の衣装来たりするのかな?なにそれ、絶対かっこいい!!
それともメイド?女装したら絶対女子よりかわいい!!
「あのさ、何考えてるかだいたいわかるから言うけど、普通の喫茶店だからね」
「執事とかメイドの格好したり、和装したりしないの?!」
「しない」
なんて勿体ないことを…。
「見たかったなあ…、楓のメイド姿」
「…はあ?!」
楓は目をまん丸にしてこちらを見てきた。
ちょっとメイクするだけで私よりかわいくなりそう。
「お前何考えてんの…」
呆れた顔をされたが、にっこりと笑顔を返した。
「絶対行くね!」
「来んな」
「なんで?!絶対行く!」
「ヤダ」
「行くってば!行く、行く、行く!!」
「あーー!わかったから黙れ!」
楓のクラスに潜入することなんてなかなかないから、多少強引でもそのチャンスを逃したくなかった。