眠り姫の憂鬱。
「私には妬んでるようにしか聞こえない」
「そんなわけないでしょ。真依はあの子のこと、ウザイって思ったりしないの?」
「しないよ」
目頭が熱くなった。
真依が味方でいてくれる、こんな心強いことがあるだろうか。
「確かに雅は普通の子とは違う。でも何事にも一生懸命になれる素直でいい子だよ。恋愛だってそう。スパンは早いけどひとりひとり真剣に付き合ってる。適当に付き合ってたことなんてない」
「なんでそう言い切れるの?真依は騙されてるよ」
「なんでそういうこ…、」
これ以上真依に、私を信じてくれている真依に迷惑をかけたくなくて、私は扉を勢いよく開け教室に入った。
面白いぐらい驚いた彼女たちの顔が目に映る。
「…雅っ、」
「真依、ありがとう」
なぜだか泣きそうな顔をした真依に笑いかけて、クラスメイトの女の子たちを見据えた。
彼女たちが息を呑んだのが伝わってくる。