眠り姫の憂鬱。
「アンタにも問題があるから疑われるんでしょ。ちゃんと努力して態度で示しなよ」
坂井さんのその言葉は予想外のものだった。
そんな風にに考えたことはなかったから。
もちろん自分の態度や行動が普通の人とは違って、見ようによっては悪く思われることはわかっていたし、真依以外の人に信用されていないこともわかっていた。
けれど、信用してもらおうとは思っていなくて、努力なんてしなかったしそんなことしたって無駄だと思っていた。
私はこれまで病気を理由にいろいろなことを諦めてきた。
外で元気に鬼ごっこすること、友達の家に行って遊ぶこと、学校で体育の授業受けること、普通の授業だって十分に受けることはできなかった。
それと同時にクラスに馴染むことも諦めていた。
私にはできっこないと思っていたから。
それがダメだったのかな。
病気のせいにして努力することから逃げていたのかな。
関係を築くことを恐れていたのかな。
「…まあ、精々頑張れば?」
「……、」