眠り姫の憂鬱。
「ふーん。だけどさ、男の家に軽々と行くのは危ないから気をつけなよ?」
なんだか言われた内容にデジャブを覚える。
「そうだね、心配してくれてありがとう」
笑って答えると駆琉くんは私の頭を2度撫でて去っていった。
自分のことを心配してくれる人がたくさんいると嬉しい。でも、あんまりにもたくさんの人から心配してもらえると、不安になってしまう。
もし、もしも、私がいなくなってしまった時、その人たちは悲しでしまうのではないかと。
そう考えたら、人一倍心配性な楓はどうなのだろう。
人一倍優しいから悲しむだろうか。それとも、ただまとわりついていた私のことなんかで感情は動かされないだろうか。
どちらでも嫌だと思ってしまう。
私はどうするべきなんだろう。