眠り姫の憂鬱。
「七海ちゃん…?」
胸騒ぎのようなものを感じて、近くによるとゼイゼイと苦しそうに息をしている。
「七海ちゃんっ!?」
私の大きな声にどうした?とキッチンからやってきた楓が、七海ちゃんの様子に気づき顔色が変わった。
「七海、大丈夫か!?」
七海ちゃんは息をするのが精一杯で返事もできない様子だ。
「七海っ!七海っ!」
顔色が悪く、唇の色の青紫色になっている。
「楓、救急車を呼んで」
「え?」
「早く!」
「わ、わかった」
本当は焦っている楓の代わりに私が救急車を呼んであげたかったけれど、なにせ住所がわからない。
私は前に七海ちゃんに取ってあげた棚から薬をもってきて吸入させた。
それから救急車が来るまで楓と七海ちゃんの背中をさすって待った。
とんでもなく不安で長い時間だった。