眠り姫の憂鬱。
先生が私の頭を優しく撫でた。
私はぐるぐると考えを巡らせたけれど、答えは出ることはなく、七海ちゃんのことも心配で、頭がパンクしそうだ。
もう、全てを投げ出して泣いてしまいたい気分だった。
数分か数十分後、先生が去った後に楓が戻ってきた。それから七海ちゃんが無事だということを聞き、安堵のあまり体中の力が抜けそうになった。
七海ちゃんの安否を聞いた今、家族でもない私が長居するわけにもいかないので先にお暇する。
「送っていこうか?」
「ううん、家の近くに行くバスで帰るから大丈夫だよ」
七海ちゃんの傍には楓がいた方がいいと思うし。
笑顔で楓にバイバイと言いながら手を振ってその場を去った。
帰り道、今までお母さんは私が病院に運ばれる度に、今日の楓のように治療する私を待っていたのかと考えて胸が痛んだ。