眠り姫の憂鬱。
「あの!」
出会って数秒。
彼の目に私が映って一秒。
「好きです!付き合ってください!」
でもそんなことを思わせないほど、彼とは出会ったことがあるような気がした。
運命の人、だと思った。
「ごめんなさい。他を当たって」
だから振られても何とも思わなかったし、むしろこれから好きになってもらうんだって、私を知ってもらうんだって、そう思った。
───まだ本当の恋を知らない私だったから。
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