眠り姫の憂鬱。
◇正解不正解◇
「じゃあ、今から手術日についての説明をしますね」
「はい、お願いします」
「まず、麻酔をかけます。雅ちゃんの場合は全身麻酔です。それから…、」
私、また怖気づいてるの?
手術のことを考える度、怯えてる。
楓や真依に会いたい。
やっぱり怖い、なんて恥ずかしい。
すぐに意志が弱くなる私をどうにかして、なんて。
「どうかした?」
「いえ、なんでもないです」
でも結局自分を励ますのは奮い立たせることができるのは自分しかいない。
「わからないことがあったらなんでも聞いてね。手術まで不安を残さないように」
「はい、ありがとうございます」
「うん。じゃあお部屋に戻ってね」
先生は私とその隣にいるお母さんに書類をそれぞれ手渡しながら優しく微笑む。
「先生。私の手術は先生がやってくれるんだよね?」
「うん。私が執刀するつもりだよ」
先生なら絶対手術を成功させてくれる。そう思うのに。
手術か近づくにつれてどんどん恐怖が大きくなっていく。