眠り姫の憂鬱。
「私、頑張ります!」
「一緒に頑張ろうね」
先生は目尻に深く皺を作って私の頭に手を乗せた。
いつもならこうしてもらうと安心するのに、私の気持ちは重たいままだった。
「失礼します」
笑顔を作り先生に手を振って部屋を後にした。
「大丈夫?気分悪いの?」
どうやら私の顔色が悪かったらしく、お母さんが心配そうにこちらを見ている。
ダメだ、暗い顔をしては。
「ちょっと喉乾いちゃった!」
誤魔化してそう言ってみる。
するとお母さんは飲み物を買ってくると言って一階にあるコンビニへと向かった。
「ついでに何かおやつでも買ってくるね。先 部屋に戻ってなさい」
「ありがとう」
周りの優しさに甘えてばかりいるとこの頃思う。
その分私も返さなきゃ。頑張らなきゃ。
拳を強く握りしめた。