眠り姫の憂鬱。


「三郷くん、三郷くん!」

「なんだよ」

「また来てもいい?」


すると、三郷くんは呆れ顔でこう言った。


「勝手にすれば?」


ねえねえ、三郷くん。

そのツンケンしてるのも照れ隠しなんだよね!


今まで冷たくされて少し傷付いたけど、全部照れ隠しだったと思えば、なんにも悲しくない。

そりゃ、最初は本気で嫌がってたんだろうけどさ。


「ありがとう!三郷くん!」



私は、最近で一番の満面の笑みを浮かべた。



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