眠り姫の憂鬱。


私の言葉を聞いた三郷くんは目を見開いたかと思うと、みるみる顔を赤くする。

忙しい人だなあ。


「は、はあ?綺麗とか言われても嬉しくねえよ!」

「なんで?」

「なんでって…俺、女じゃねえし!」


目を泳がせる三郷くんはとにかく可愛くて。


「ぷっ、知ってるよ。私、女の子に告白する趣味ないよ?」


そう言うと、ピタリと動きが止まって今度は耳まで真っ赤になった。

ホントにおもしろい。

三郷くんって、恥ずかしがり屋さんで照れ屋さんだから、きっと行動がクールに見えてたんだろうなあ。

みんな知らない、私だけが知ってる三郷くん。

あ、もちろん、三郷くんの友だちくんやご家族は知ってるだろうけどさ。

それでもちょっとレアな三郷くんを知ってるってすごく嬉しい。



ねえ、早く私の事好きになってよ、三郷くん!!



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