眠り姫の憂鬱。
「先生!今日は教室に行こうと思うんだけど!」
「ダメだろ」
「なんで!」
「お前、最近体調良くないだろ?安静にしとけ。なんかあってからじゃ遅いんだからな」
確かに最近体調崩してたけど…、学校ではバレないようにしてたのに、なんで知ってんの?
「石頭…」
ボソッと小さく呟くと、先生から"あ゛ぁ?"と返されたので黙ってペンを握り直す。
私は学校でこそ寝たり遊んだりしているけど、家ではそれなりに勉強しているから大体できるんだよなぁ。
やっぱり、つまんない。
「テストなんて大っっ嫌い!!」
「うるさい」
叫んだ私の背後から、もう脳裏に焼き付いている声が聞こえて、まさかと思いながら私は振り返った。
するとそこにいたのはまさかのまさかで。
「楓っ!?」
「だからうるさいって」