眠り姫の憂鬱。
「せんせーい、体調悪いでーす!」
「どこがだよ。大体お前は本当に体調悪かったら病院行ってるだろ?」
「おお、さっすが先生!わかってるね!」
保健室にいる養護教諭である結城 尚哉《ユウキ ナオヤ》先生は若くてカッコイイと言われている。
私は毎日保健室に通っているから、先生はもうお兄ちゃんような存在だ。
何かと相談にのってくれるし、なんだかんだ言って保健室に置いといてくれる。
そんな先生は、単位は大丈夫なのかよ、と呆れ気味に私に尋ねながら、なにやら書類に記入している。
たぶん養護教諭の仕事だろう。
前に、どうせ暇だろうから遊ぼうよ、と言ったら仕事があるに決まってんだろ!と怒られたんだ。
養護教諭って暇なのかと思ってたらそんなことないんだねえ。