眠り姫の憂鬱。


「まあ、その様子だと変わったことは特にないみたいだね」

「…、うん」

「ならよし!次からちゃんと連絡してよね」

「了解した!」


ピシッと敬礼をすると真依が笑ってくれたので、私も笑い返した。


「雅は体育受けないでしょ?」

「うん、保健室に行く」

「そ、じゃあまたあとで」

「あとでね!」


真依は私が授業を、特に体育を受けない理由を知らない。

だけど、1度たりとも理由を聞かれたことがないわけで、真依はどう認識しているのだろう。

こんなに授業をサボりまくっている私をどう思っているのだろう。

たまに気になったりする。

たまに不安になったりする。


いつか呆れて、愛想を尽かして、友達を辞められてしまうんじゃないか、と。



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