眠り姫の憂鬱。
なんだか楓が怒っているのは、そこであってそこでない気がした。
じゃあなんで怒ってるの?って疑問は考えても考えても答えは見つからなくて。
気付けば誰もいない空間をぼうっと見つめていた。
もしかして、私が嘘をついたことを見破られてしまったのかもしれない。
だって楓は鋭いから。
バレてしまって、それから呆れてしまったのかもしれない。
どうしよう、泣かないって決めているのに泣いてしまいそうだ。
人は嘘をついてはダメって言うけれど、私は嘘がないと生きていけない。
人に、自分に嘘をつかないと、
「楓の言う通りなんだけどなあ」
なんのために生きているのかわからなくなって、自分を見失いそうになる。