眠り姫の憂鬱。


「な、なんだー。友達って男かよ」

「また今度、遊ぼうね〜」


"また"なんてないわ、と心の中でツッコミを入れながら去っていくふたりを見送った。

隣には、楓がいる。


肩に回された腕はスッと外されて、もの寂しさを感じた。


「なんで楓がここにいるの?!テレポーションッ?」

「なわけねえだろ!買い物に来てたらお前っぽい奴が見えただけだよ」


それでわざわざ助けてくれたってこと?

楓ってば言動までイケメン…!!

まあ若干、助けに来てくれないかなあって思ってたけど、こんな近くにいるとは思ってなかったし、見つけてくれて助けてくれたって考えたら…。


「好き!結婚しよう!」

「話が飛躍しすぎだろ」


だってだって嬉しかったんだもん。

私のピンチに正義のヒーローの如く現れた楓。

私にはスーパーマンにしか見えなかったね!

私だけのスーパーマン!!



< 99 / 236 >

この作品をシェア

pagetop