スノーフレークス
「へえ、そんな子がいたんだぁ。サングラスってのは珍しいなぁ。帽子は私もかぶろうかなぁ。十代のうちから日焼け対策しといた方がいいかも」
四人の中で一番おしゃれな藤井さんがつぶやく。そして皆口々に日焼け止めの話をし始める。
「横浜の子っておしゃれなイメージがあるなぁ」
眼鏡をそっと引き上げながら高瀬さんがたずねてくる。
「うーん、人それぞれだと思うよ」
私は答える。きっと彼女は都会には「けばい」子も多いと思っているのだろうけど、そんな女子高生ばかりではない。確かに横浜駅西口周辺のファッションビルには、横浜市全域から派手な女の子たちがいっぱいやってくるけど、私が通っていた高校には普通の子たちが多かった。化粧をしたり髪を染めたりする子もいたけど、大半は校則に抵触しないように努める普通の子だった。
この私もどこにでもいるごく普通の高校生だ。中肉中背で、顔の造りも平凡で、特にこれといった長所は何も無い。奇抜なかっこうをして自己主張をするタイプの若者でもない。
むしろ、片田舎であるこの町においての方がより個性的な高校生を見かけた。暑苦しい服装の女の子と、シルバーメタリックのマウンテンバイクで疾風のように去っていった男の子だ。変に勘ぐられてしまうと困るので後者のことは口にしなかった。
私は夕飯の買い物をして帰らないといけないので、一時間くらいでおしゃべりはお開きにした。これから町中にあるスーパーを開拓していかねばならない。
いくらか所帯じみた女子高生である私は曜日ごとに行くスーパーを変えている。それぞれのスーパーは特売の日やポイントカードの五倍デーを設けているからだ。朝刊のチラシを見てお買い得品のチェックもしている。学生カバンの中には買い物用のエコバックを折りたたんで入れてある。ママチャリに乗って通学しているのは、買い物袋を自転車のかごの中に入れたいからである。
高校生活のど真ん中という中途半端な時期に転校したけど、新しい学校での生活はまずまず順調だった。私が入った二年の文系クラスでは、面倒見の良い谷口さんたち四人組が新参者の私を仲間に入れてくれた。
四人の中で一番おしゃれな藤井さんがつぶやく。そして皆口々に日焼け止めの話をし始める。
「横浜の子っておしゃれなイメージがあるなぁ」
眼鏡をそっと引き上げながら高瀬さんがたずねてくる。
「うーん、人それぞれだと思うよ」
私は答える。きっと彼女は都会には「けばい」子も多いと思っているのだろうけど、そんな女子高生ばかりではない。確かに横浜駅西口周辺のファッションビルには、横浜市全域から派手な女の子たちがいっぱいやってくるけど、私が通っていた高校には普通の子たちが多かった。化粧をしたり髪を染めたりする子もいたけど、大半は校則に抵触しないように努める普通の子だった。
この私もどこにでもいるごく普通の高校生だ。中肉中背で、顔の造りも平凡で、特にこれといった長所は何も無い。奇抜なかっこうをして自己主張をするタイプの若者でもない。
むしろ、片田舎であるこの町においての方がより個性的な高校生を見かけた。暑苦しい服装の女の子と、シルバーメタリックのマウンテンバイクで疾風のように去っていった男の子だ。変に勘ぐられてしまうと困るので後者のことは口にしなかった。
私は夕飯の買い物をして帰らないといけないので、一時間くらいでおしゃべりはお開きにした。これから町中にあるスーパーを開拓していかねばならない。
いくらか所帯じみた女子高生である私は曜日ごとに行くスーパーを変えている。それぞれのスーパーは特売の日やポイントカードの五倍デーを設けているからだ。朝刊のチラシを見てお買い得品のチェックもしている。学生カバンの中には買い物用のエコバックを折りたたんで入れてある。ママチャリに乗って通学しているのは、買い物袋を自転車のかごの中に入れたいからである。
高校生活のど真ん中という中途半端な時期に転校したけど、新しい学校での生活はまずまず順調だった。私が入った二年の文系クラスでは、面倒見の良い谷口さんたち四人組が新参者の私を仲間に入れてくれた。