フレーム
東京予選1
「あの子可愛い」
「本当だ、どこのマネだ?」
「あのジャージ、花崎だろ」
「何だ、今日の主役様のとこね」
花崎、
その言葉に振り向こうとすると
「そっち見んな。」
「え?」
そう太一君に腕をひかれる。
私、もしかして歩くの遅かったかな…
そんなことを考えながら
騒がしい体育館横まで歩く。
今日は、東京予選1日目。
会場である、とある私立高校に来ている。
この学校、広すぎ。
「環奈、色々危ねーから
出来るだけ1人になるなよ。」
「危ない?」
そう聞き返す私を見て、
太一君は大きなため息をついてから
私の両肩に手をついて目線を合わせて、
「月曜のこと、もう忘れたのかよ」
そう言った。