フレーム
今日の私はおかしい。
パシャッ
目の前で凄まじいスパイク練習をする
どこぞの強豪校の選手にカメラを向ける。
パシャパシャッ
自分で自分に驚いてしまうほど、
フレームに収まる写真が、
どんな風に写るかが分かる。
気がするんじゃなくて、
はっきりと、
脳に未来が写し出されるみたいに。
構えていたカメラを下ろすと、
自分の両手首に目を移す。
片方にはあのお守り。
そしてもう片方には
太一君が貸してくれたリストバンド。
手首に残ったあざを隠すためだけど、
それでも太一君のものを身につけている
ただそれだけで
心が弾んでいる私。
太一君を好きな私も
悪くないかもしれない。
そう思っていると横から、