フレーム
初めて花崎高校バレー部の試合を見た日、
そう、確かあの日。
同じように太一君のことで
問い詰められたことをまだ覚えている。
「昨日、サラッと桜田さんのことバラしたよね?」
「…言うなとは言われてないし?」
「普通言わないでしょ?
で、どうなの?太一のこと」
「どうと言われましても…」
次第にのけぞりはじめる私と
ポケットに手を突っ込んだまま、
私を見下ろす隼人。
あまり人前では近づかないで
そうお願いしたあの時の私の勇気を返せ。
なんて他ごとを考えていると、
「気になってるって認めたら?」
隼人が私を体勢を起こしながら
そう言う。
心の中では認めたけど、
口で認めるわけにはいかない、
絶対に。