フレーム
七瀬「あーよく動いたー…
うわっ…次藤塚じゃん」
矢野「強い相手ほど燃えるぜっ
なんて、現実世界にあるわけないですよね」
桜田「おい、手ぬくなよ」
「「……うっす」」
第1試合で相当体力を使った先輩方は
そんな会話を交わしながら
ドリンクを飲んでいた。
こんな中でも、
やっぱり桜田先輩はしっかりしてるなぁ。
そう思いながらも
ドリンクを補充し終えた私は
その場を静かに立ち去ろうとすると、
「環奈、」
「た、太一君!お疲れ様」
太一君の声に振り返り、
いつもより少し目つきが悪いような気がして、
目をそらすと、
「そうじゃねーだろ、
今日は1人になんなよ絶対。
ちょっとそこの1年…藤堂、だよな。
環奈について行ってやって」
「あ、はい」
やはり、そう引き止められる。
昨日1日だけで、
太一君に大丈夫って言っても無駄なことは分かった。
でも、藤堂君に迷惑をかけるのは違うような…。