フレーム

2人の先生








「ねぇ、隼人。

環奈は授業中何してんの?」


「え、ちゃんと勉強してると思ってた、けど。」




そう、机を挟んで私の目の前でため息をつく太一君と

色んな写真集をパラパラとめくっている隼人。




今週と来週の週末は部活に出られないため、勉強を見に来てくれた太一君と

今日の夜1人になる私のために来てくれた隼人が

タイミングよく同時に私の家の前で会った、

ということらしい、のだけど……




目の前にある、
謎の言語を目にした私は

軽く放心状態だった。




「で、本当のところどうなの?」


「授業中は……

本、読んでます。」




じっと太一君に見つめられて、

正直に答えた私、偉い。


そう自分を褒め称えながらも、

おそるおそる顔を上げると

やっぱり呆れ顔をした太一君がそこにはいて…




「…授業は?」


「あははは」




その問いには、

苦笑いをするしかなかったんだ。






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