フレーム
「え?なん、で?」
太一君のジャージを掴んでいた手から力が抜け、
美月ちゃんの方を見つめる。
美月「こっちのセリフ!
雑誌に環奈がいたのにもビックリしたのに!」
太一「知り合い?」
「ま、前住んでた家の近くに住んでて、
仲良く、してもらってたの」
桜田「うわ、偶然だね」
白井「すっげー」
そう、説明した後、
再び美月ちゃんの方に視線を戻すと、
美月ちゃんの後ろにいる、
1人の男の子と目が合う。
刹那、
無音になり
私の中の時が止まる。
……え?
嘘。
美月ちゃんと、
同じ高校だった、の?
手首に視線を感じて後ろに隠し、
反対側の手で手首を覆うと、
あのお守りを隠す。
声が
出て来ない。