フレーム
みんなハイタッチこそ、しているものの
目が笑ってない。
今のサーブに衝撃を受けたのだ。
当たり前だけど、
私が知っている一ノ瀬先輩とはもう違う。
パワーもスピードも
あの時とは比べ物にならなかった。
隼人「うっわぁ…1発目かますねぇ」
花崎のみんなの心の声を代弁した隼人は
苦笑いのまま両腕を組んだまま。
次のサーブの準備をしている太一君は、
ピリピリとした表情でボールをついている。
だが、張り詰めた空気を
豪快な笑い声がさえぎった。
監督「練習試合と言っておるのに。
ガン飛ばしおって…
高槻、お前も練習だぞ。」
「は、はい」
そうだよね、
これはただの練習。
ただの、練習…
カメラを手に持ち、
太一君の方を向く。
今の私が撮りたい人。
パシャッ
その瞬間、再開されるゲーム。
完璧なサービスエースだった。