フレーム
目を開けると、
体育館の天井ではなかった。
あ、今日私が寝る部屋だ。
突然懐かしくも恐ろしくもある、
あの声で名前を呼ばれたものだから、
頭がパニックになってしまったようだ。
誰がここまで…?
そう思いながら起き上がれば、
「環奈?」
そう部屋を出て行こうとしていた太一君が、
私の隣に腰を下ろす。
「太一君…あの、ありがとう。
ごめん、重かったよね。」
太一「うん、ちょっと、な?」
そうニヤッと笑いながら、
私の背中をポンッと強めに叩く。
「そ、そこは大丈夫!って言って!」
「ははっ大丈夫だよ、すぐ気がついて良かった。
戻れそうなら一緒に行こう」
そう優しくしてくれる太一君に、
もう少しだけ甘えたくなってしまう。
今、体育館に戻って、
美月ちゃんや一ノ瀬先輩に会うの辛い。
「えっと…あと10分だけ、あ、いや3分!
一緒に、居て、欲しい…」
普段はこんなこと絶対に言えない。
でも、今だけは…