フレーム
美月「一ノ瀬は、環奈が嫌いになったわけでも、裏切ったわけでもないんだよ。」
頭のどこかで分かっていたことを
言葉に出してそう言われると、
やはり、また悩んでしまう。
話した方がいい。
けど、話すためにあの人の前に行くことが出来ない。
頭では分かっていても身体が言うことをきかない。
さっきだって過呼吸を起こしたかったわけじゃない。
じゃあ、どうしたらいい?
「分かってる、つもりだけど
それが出来ないんだ、私、弱いから。」
これ以上、美月ちゃんと一緒にいると
どうにかなってしまいそうだ。
美月ちゃんには感謝していることがいっぱいあるし、大好きだけど、
でも、
もう少し、放っておいて。
ひと通り準備を終えていた私は、
これ以上、
美月ちゃん達と一緒の空間に居るのが耐えられなくて
体育館まで早歩きで向かっていたんだ。