フレーム





「まだ環奈が1人であいつと話せないっていうのは分かってる。

でも、それでも、俺は話すべきだと思う。
俺がついていっても良い。

俺の勝手だけど、環奈にはちゃんと過去のこと引きずらずにいて欲しいから。」




そう俺が言い終えると、

隼人は環奈の肩をポンと叩いて、

コートの方に戻っていった。


環奈の方に視線を戻せば、

口を片手で押さえながらも

必死に何かを言おうとしていた。




環奈「分かってる、の。

でも、震えが止まらなくて、
あの人の前に立てないよ」




そう自信が無いように言う環奈。

何があったのか知りたい。

でも、今は無理だ。

だから、環奈が自分で話せるようになるくらいには頭を整理して欲しい。




太一「環奈が震えてるなら、俺がまた止めるよ。」




そう言って、
環奈の肩に手をのせようとすると、

少し後ずさりをされる。

拒否、された?




環奈「そ、それじゃ、ダメなの!」




そして、大きな声でそう言うと、

今度は俺から逃げて行くように

環奈は体育館を後にしたんだ。





太一side.end




< 448 / 509 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop