フレーム
「まだ環奈が1人であいつと話せないっていうのは分かってる。
でも、それでも、俺は話すべきだと思う。
俺がついていっても良い。
俺の勝手だけど、環奈にはちゃんと過去のこと引きずらずにいて欲しいから。」
そう俺が言い終えると、
隼人は環奈の肩をポンと叩いて、
コートの方に戻っていった。
環奈の方に視線を戻せば、
口を片手で押さえながらも
必死に何かを言おうとしていた。
環奈「分かってる、の。
でも、震えが止まらなくて、
あの人の前に立てないよ」
そう自信が無いように言う環奈。
何があったのか知りたい。
でも、今は無理だ。
だから、環奈が自分で話せるようになるくらいには頭を整理して欲しい。
太一「環奈が震えてるなら、俺がまた止めるよ。」
そう言って、
環奈の肩に手をのせようとすると、
少し後ずさりをされる。
拒否、された?
環奈「そ、それじゃ、ダメなの!」
そして、大きな声でそう言うと、
今度は俺から逃げて行くように
環奈は体育館を後にしたんだ。
太一side.end