フレーム
「手強いライバル登場だなぁ」
「間違いねぇ」
「う、うるさい…ライバルじゃ、ないもん」
同じ2年の男子バレー部員にそう声をかけられ、ショックがさらに大きくなる。
やっぱり、そうなのかな。
嫌だな…。
と、とにかく!早く保健室行こう!
そして保健室前に着くと、中から声が聞こえてくる。
「もうー!裕也無理しちゃダメだよ!」
「あぁ、悪い」
なんで、裕也君が謝ってるの?
私よりも、裕也君を理解していると桃華先輩に言われたような気がしてとても嫌だった。
そんなこと、言われてないのに。
「裕也、今日はいつ帰る?
久々に裕也と帰りたいなー、恵吾とも!」
「…環奈と美月もいていいなら」
「あ、そっかぁ。そうだよね…分かった!」
帰りは、いつも2人だったのに、なんで?なんでなの?
よく分からない敗北感で涙が出そうになった私は、そのまま帰ることにした。
こんな顔、見せられない。
というか、会いたくない。
体育館に着き、カーディガンを羽織りながら帰る支度をしていると後ろからポンと肩を叩かれる。
「環奈帰っちゃうの!?」
「美月ちゃん…なんか具合よくなくて」
「うーん、一ノ瀬には会えた?」
「会える感じじゃ、なくて」
「え!?ちょっと環奈!?」
突然溢れ出る涙に、私も美月ちゃんもビックリで私は美月ちゃんからも逃げるように家に帰ったんだ。