フレーム





次の日、学校の校門近くまで来ると



「だからもう大丈夫だっつってんだろ」


「本当に無理しちゃダメだよ?」


「朝からお熱い〜〜!」



そう、裕也君、桃華先輩、恵吾先輩が校門前で騒いでいた。

何あれ……。

今日は一緒に行けないってメッセージ来てたのって、桃華先輩と一緒に行くためだったの?

信じ、られない。

そうフツフツと溜まっていく桃華先輩への嫉妬に押しつぶされそうになる。



「おい馬鹿っ!何やってんだよ!」


「え?裕也照れてるの?可愛い!」



裕也君とさりげなく桃華先輩が腕を組む。ほんのりと赤く染まる裕也君の顔を見た私は立ち止まってしまう。

……何それ


「裕也君のばかっ」



そう呟いて、私は来た道を戻る。

なんで?という言葉しか思いつかなかった。

桃華先輩も桃華先輩だ。

人の彼氏と腕を組むだろうか?普通。

…ダメだ、こんなこと言えない。だってただの愚痴になっちゃうから。



ちょうどお父さんが仕事で隣の県行くって言ってたからついて行こう。

ちょっとは気晴らしになるかもしれない。

夜になったら、先輩が心配してメッセージでもくれるかもしれない。

…いや、そんな考えは捨てた方がいいか。

どうせ今日も同じ教室で笑い合ってる可愛い女の子がいるのだから。




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