フレーム
「「話したいことが…あって?」」
見事に同時だった上に、
一言一句同じだった。
目を合わせて笑いながら、
懐かしいこの感じに涙が出そうだった。
「さっきはありがとう、ございました。
それから、ごめんなさい…あの、私ずっと理解してもらえてなかったって、思ってたの。だから、ごめんなさい。」
そう言って、
私にかけてあったタオルケットをキュッと掴んだ。
一ノ瀬先輩のあの時の気持ちが全く分からなかった私は、
何をどう言えばいいのか迷う。
すると、
「環奈が謝ることはねーよ、何も。
あの時の気持ちを全部伝えたい…そう、思ってる。
でも…」
「知りたい、です」
そう言ってくれた
一ノ瀬先輩の目を見て、
知りたいと自然と口から出てきた。
今なら大丈夫な気がする。