フレーム
裕也side
なぜだか分からないが、
環奈が泣き始める。
でも、嬉しそうに泣くから
おれまで涙が出そうだった。
ずっと環奈に伝えたかった。
俺は環奈が好きだったってこと。
今、環奈は他に気になる奴がいるってことは
昼間、少し見ていただけで分かった。
ちょっと悔しいけど、当然といえば当然だ。
きっとそのおかげで今、俺は
環奈に会って言いたいことを言えたのだろう。
「環奈、俺やっぱお前が良い。
遠距離でも何でも、環奈が良い。
好きだ、今も昔も…」
そう最後のあがきで、
環奈を抱きしめながらそう言った。
俺の腕の中の環奈はビックリしたのか、
俺の背中にあった手で自分の口元を隠した。
本当に綺麗になった。
そう改めて思う。
口を開きかけた環奈の腕を掴んで、
ほとんど無理矢理だが、
触れるだけのキスをする。