フレーム
「分かってるよ、あいつが好きなんだろ?
花崎の2年の次期キャプテン。
昼間、見てただけですぐ分かった」
「う、嘘…」
キスをしたのは意地悪だったよな。
でももう、これくらいしかあがかない。
キスをされたからか、
好きな人がバレたからか、
頬をほんのり赤く染めた環奈は、
やっと唇を隠した。
「裕也君の意地悪っ…」
くそっ…
可愛いすぎんだよ、ばか。
理性を保てなくなった俺は、
もう一度、環奈の腕を掴み押し倒す。
「悪い、これで本当に最後。」
おさえた腕に力が入ることは無かったが、
目が泳ぎっぱなしの環奈に
思わずフッと頬を緩ませた俺は
そのままもう一度環奈の唇に俺のを重ねた。
舌を入れようとしたところで理性を取り戻し、
環奈の唇をペロッと舐めてから離れた。
今、顔が赤いのは俺のせいだよな。
そう思うことでしか
今の自分を保てない俺は本当にどうかしているかもしれない。
環奈の背中に腕をまわして起き上がらせると、
ぽんっと背中を叩いた。
男として振られても、
俺は環奈の写真のファン1号であることは間違いない。