フレーム
食堂に着くと、
入り口付近で美月ちゃんと裕也君、恵吾先輩が3人で楽しそうに話していた。
「環奈!」
「美月ちゃん…さっきはごめん」
そう美月ちゃんに謝ると微笑んで、
よく頑張ったね
そう言いながら私を抱きしめてくれた。
裕也君と目が合うと、
裕也君は小さくピースサインをする。
「で、そちらは?」
そして美月ちゃんは、ニコッと微笑みながら太一君の方を向く。
嫌な、予感。
別の場所に移動しようとしてた太一君は
私の方を見てから3人の方を向く。
何も、起こりませんように。
「環奈の近所に住んでる、2年の瀬戸太一です」
「ふーん、私は2年の倉敷美月。環奈のことならなんでも聞いて?」
「え、いいんですか?」
そうニヤッと笑って言ったのはもちろん太一君。
「み、美月ちゃん!?」
美月ちゃんとは本当に生まれた時から一緒だったため、
何を言われるか分からず、気を抜けない。
そんな困り果てた私に救済船を出したのが
「まあ、とりあえずね。
俺は2年の東恵吾。で、こっちが一ノ瀬裕也だよ〜!
環奈ちゃん久しぶりだけど、また明日ゆっくり話そう?」
恵吾先輩…!!
私にバチッとウィンクすると、
美月ちゃんと裕也君を椅子に座らせ、
私と太一君から遠ざけた。
これで一安心。
そして、その光景を見ていた太一君は
クシャッと笑って
「良かったな、環奈」
そう言ったんだ。