フレーム
翌朝、自主練習時間が始まった。
この時間はマネージャーの仕事も大して無いため、
私はしゃがみこんで自分のカメラの電源を入れると、
「うわっ……隼人!?」
レンズのすぐそこに隼人がいて、
思わず後ずさると、
大声で笑われる。
「楽しそうだね、いつも以上に」
「ビックリした…」
自主練しなくていいのかな
なんて思う私のことは気にせずに
私の横にあぐらをかいて手首を掴んでくる。
「太一は知ってるんでしょ?」
その少し寂しそうな隼人の目に
罪悪感を覚える。
そうだ、私
隼人にも色々心配かけてたんだ。