フレーム





「…これ、ずっと私が手に付けてるお守り、

今、丁度太一君と話してる人が中学の時にくれたもの、なの。

あの人とは色々あったんだけど、
全部ただのすれ違いだったって昨日、知って…

スッキリしたの、本当に」




そう、手首を見せながら言って笑うと

隼人も笑顔になって頷く。




「良かった、昨日からめっちゃ心配してた!俺!」


「ご、ごめん!もう大丈夫!」




きっと他の人にもたくさん心配をかけたんだろうな。

そう思うと少し辛いけれど

でも今はそれよりも早く写真を撮りたい。

その人達に最高の写真を見せて

笑顔になって欲しい。


立ち上がろうとして、

隼人に手首を掴まれていたことを思い出す。




「あ、ごめん。

…まだ、付け続けるの?それ」


「あ、うーん…勝負したい時につけようかな、これからは」




そう言うと、

なぜか隼人は少し寂しそうにすると

頑張れと私に声をかけてから私の手首を静かに離したんだ。


隼人、どうしたんだろう?





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