フレーム
隼人side
環奈が立ち上がり、
別の場所に行こうとした時、
ほとんど無意識に引き止めてしまった。
他の奴のところに行かないで
そう言いそうになっていたんだ。
搔き消したハズの環奈への想いが
知らぬ間に大きくなっていたことに気付く。
だからと言って俺は何もしない。
何もしない、絶対に。
そして、環奈を見送ろうとした時、
向かいのコートに昨日の男のカメラマンが2人見えた。
環奈、会いたくないだろうな。
そして、少し間を空けてから
頑張れ
と言って、環奈が向こうを向かないようにした。
俺にはこれくらいしか出来ない。
けど、環奈と太一が結ばれれば
少しくらい、考え方が変わるかもな。
隼人side.end