フレーム
太一side
バンッとボールが床に叩きつけられる音を聞きながら、
「休憩ー!」
そう部員のみんなに声をかける。
俺は桜田さんが引退してから花崎のキャプテンになった。
キャプテンになってやっと慣れだした4月終わり頃、
テレビのニュースで"高槻環奈"という
俺の彼女のフルネームが目に入り、
テレビの音量を上げると
どうやら、めちゃくちゃ凄い賞を環奈が受賞するかもしれないというニュースだった。
いつも一緒にいるとそんな気がしないが、
環奈は凄いやつなんだと改めて実感した。
今は授賞式出席のため日本にいないが、
早く会いたくてたまらない。
隼人「何考えてんの?」
矢野「高槻ならいないぞー」
「うるせーよ」
そう軽く2人をかわしていると、
体育館の入り口に頼もしい先輩達がいたんだ。
桜田「久しぶりー!元気してる?」
白井「おーおー、相変わらずだなぁ」