最期の贈り物 ‐君への愛‐
私とお母さんの仲はだいぶ悪い。
お父さんはもう他界していて、お母さんが一人で私を育ててくれた。
と言っても、そんなしっかりした感じじゃなくて、殴られたり蹴られたりしながら。
それで、今日、再婚すると言われた。
相手の写真も見てみたが、いかにも性格の悪そうなチャラい男の人だった。
だから、再婚なんてやめてと言ったのだが、相当頭にきたらしくて……。
私はここへ来たのだ。着の身着のままで。
「あっそ。じゃあ、ばあちゃんちとか帰りゃいいじゃん」
「おばあちゃんちなんて、遠すぎて行けないの」
新幹線を使っていかなくては行けないところにある。
だから、行きたくとも行けないのだ。
「ったく、しゃーねぇなぁ。俺んち来るか?」
「え!?俺んちって……、あなたの家に?」
そうだよ、と彼は答えた。
い、いやいやいや……。確かに帰りたくないと言ったのは私だけど、あなたの家に行く……?
頭がついていかない。