最期の贈り物 ‐君への愛‐
「俺は別に変なことしねぇよ」
いやいやいや……、そこが問題なわけじゃないんだけど。
だって、さっき会ったばかりの人だよ?
長い間一緒に過ごしてきた友人でも、いつまでいるのかとか、色々と不明でわからない私を引き取るようなこと、しないでしょ。
やっぱりこの人、相当変わってるのかな。
それとも……、怖そうだけれど、根はとっても優しい人なのかな。
「い、いや、そういう問題じゃないと思う……思いますけど」
「はぁ?別に、二人きりなわけじゃねぇしいいだろ?家も、お前一人分くらいの部屋ならある」
「……お母さんとお父さんが驚きますよ」
そう、何気なく、というか一般的に心配する部分を彼に言ったのだ。
高校生の彼に、親がいないなんて、想像もできなくて。
「いねぇよ、そんなヤツら。俺の家にいるのは、俺と妹だけ」
その言葉にひどく驚いた私に、彼はそんな驚くなよと呆れたように言った。
触れてはいけないところに触ってしまった。
慌てて謝った私に、昔のことだし気にしてないと、私を安心させるためか、本当にそうなのか、分からないけれど、その言葉は私の心をほんの少し軽くさせた。
「妹さんが、驚かれますよ」
「あいつは大丈夫だ。つか、俺の家なんて溜まり場みたいなものになってっから、お前一人くらい住んでもいけんの。ずっと俺ん家にいてもいいから」