最期の贈り物 ‐君への愛‐


「服、また明日にでも買いに行こう。 今日は、私の着てくれるかな? ごめんね」




「私の方こそ、ごめんなさい」




「なんで優恵ちゃんが謝るのさ。 というか、同い年なんだから敬語は禁止ね」




口元に人差し指を添え、禁止だよと可愛らしく言う椎菜ちゃんに不覚にもドキッとしてしまった。


それほど可愛らしいのだ。


きっと、燐も1回くらいはドキッとしたことがあるだろうな。




「椎菜、早く風呂行かせてやれよ。」




呆れた顔の燐が顔を出してきた。


首にはヘッドフォンがつけられており、ヘッドフォンはスマホと繋がっている。


燐はどんな歌を聴くんだろう、なんて思ったり。




「そうだね、急がなきゃっ。 お風呂、ここだよ。 あとで服とタオル置いておくから、入って入って」




ずいずいと強引にお風呂場に入れられてしまう。


部屋の片付けは……と、聞いてみるけれど、大丈夫の一点張り。


ここはもう甘えさせてもらおうと、私は深々とお辞儀した。


また椎菜ちゃんに笑われてしまったけれど。
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