最期の贈り物 ‐君への愛‐


「ゆっくり入ってくれていいからね!」




そう言うと、椎菜ちゃんは出ていった。


私は服を脱ぎながら、これからどうしようかと考えた。


まず、私は燐と椎菜ちゃんのことを全く知らないし、むこうも私のことを全く知らない。


友達っていう関係だったら、むこうもたくさん私に気を遣う必要がない。


……まず、私がここにくることがおかしいんだよね。




「はー……」




すべて脱ぎ終わり、洗濯機に入れるべきか、置いておくべきか、悩んだ末に畳んで下に置くことにした。


風呂場のドアを開けると、私の家のお風呂よりもひとまわり大きいサイズの浴槽があった。


真っ白な、綺麗なお風呂。


シャンプーは有名なところのものを使っているようで、綺麗に並べられている。


桶は可愛らしいピンク色のもので、椅子は水色のシンプルなもの。


私の家のお風呂とは大違いだ。


私は椅子に座り、シャワーを掴んだ。


私のお風呂の入り方は、体を洗ってからお風呂につかる派だ。


ササッと頭を洗い、体を洗い、浴槽に浸かった。




「あったかい……」




蓋をしておいてくれたおかげで、お風呂の温度は適温だ。
< 22 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop