最期の贈り物 ‐君への愛‐
「ゆっくり入ってくれていいからね!」
そう言うと、椎菜ちゃんは出ていった。
私は服を脱ぎながら、これからどうしようかと考えた。
まず、私は燐と椎菜ちゃんのことを全く知らないし、むこうも私のことを全く知らない。
友達っていう関係だったら、むこうもたくさん私に気を遣う必要がない。
……まず、私がここにくることがおかしいんだよね。
「はー……」
すべて脱ぎ終わり、洗濯機に入れるべきか、置いておくべきか、悩んだ末に畳んで下に置くことにした。
風呂場のドアを開けると、私の家のお風呂よりもひとまわり大きいサイズの浴槽があった。
真っ白な、綺麗なお風呂。
シャンプーは有名なところのものを使っているようで、綺麗に並べられている。
桶は可愛らしいピンク色のもので、椅子は水色のシンプルなもの。
私の家のお風呂とは大違いだ。
私は椅子に座り、シャワーを掴んだ。
私のお風呂の入り方は、体を洗ってからお風呂につかる派だ。
ササッと頭を洗い、体を洗い、浴槽に浸かった。
「あったかい……」
蓋をしておいてくれたおかげで、お風呂の温度は適温だ。