最期の贈り物 ‐君への愛‐
だって、14歳で親がいないって寂しいと思う。
『お母さん、こんなことがあったんだ』
こんな何気ない会話もなくて、
『お父さん、ここ行きたい!』
こんな風にワガママを言うこともないんだ。
「もう少し早く帰ってきてあげたらいいのに」
そうしたら、椎菜ちゃんが燐を怒ることが減るんだ。
燐にとっても、得ではないだろうか。
「……俺だってしてぇことがあんだよ」
こんな夜に……?
何をしているのかと聞きたかったけれど、燐は部屋を出てしまったので、私は聞くことをやめた。